2025年11月20日
お知らせ
株式会社NTTデータ九州
株式会社NTTデータ九州(代表取締役社長:常盤 圭史、本社:福岡県福岡市、以下:NTTデータ九州)は、宮崎県がデジタルガバメント推進のために実施している「デジタル導入による業務刷新支援業務」を受託し、業務課題解決に向けてICTツールを活用した実証事業(以下、本事業)を行いました。
■背景
宮崎県では、生産年齢人口の減少により、行政サービスの担い手である地方公務員の不足が懸念されており、デジタル技術を活用しながら、業務の効率化を行うとともに、行政サービスの維持と質の向上を図ることが必要となっています。
そこで、業務課題の解決を目的として短期間でICTツールを導入・実証し、その効果を検証したうえで、本格的な導入へとつなげる予定です。
NTTデータ九州では、宮崎県の取り組みに対し、ICTツールとしてkintoneを導入し、保健所と医療機関における調整業務の効率化と情報連携の円滑化の実証を行いました。
■本事業の概要
NTTデータ九州では、「措置入院に係る指定医選定・入院先調整、情報管理業務」の実証事業を受託しました。
この業務は、保健所が警察からの通報を受け、要支援者の情報を医療機関に連携し、保健所職員が各医療機関に対し措置診察及び措置入院の調整を行う業務になります。
今回、保健所と医療機関における措置診察及び措置入院の調整業務にて、指定医の選定と入院先の調整を行う場面でkintoneを導入し、以下の点について実証を行いました。
実証内容 :
(1)患者情報をkintone上で共有し、保健所と医療機関間の情報連携の円滑化を図ることによって、伝達ミスや情報漏れが防止され、迅速かつ正確な対応が可能であること
(2)複数医療機関とのやりとりを、kintone上で同時に進めることが出来るよう、効率化を図ることによって、電話でのやりとりに比べて作業時間や手間が削減されること
実証参加者:宮崎県 総合政策部デジタル推進課・福祉保健部障がい福祉課、都城保健所
実証期間:2025年7月1日から2025年9月30日
■本事業の全体像
「措置入院に係る指定医選定・入院先調整、情報管理業務」は、以下の4つの段階で行われます。
- ①相談・通報対応 : 警察からの通報を受け、要支援者情報の聞き取りを行う。
- ②指定医選定・入院先調整 : 保健所職員が各医療機関のケースワーカーに連絡し、要支援者の措置診察及び措置入院先となる医療機関を調整する。
- ③措置診察のための搬送・指定医の診察 : 指定医2名による要支援者の措置診察を行う。
- ④措置入院 : 2名の指定医から要措置と判定された場合、措置入院先の病院に要支援者を移送し、措置入院に関する通知書や報告書を関係機関に連携する。
■本事業での取り組み
本事業では、実証内容である情報連携の円滑化と調整業務の効率化について、「② 指定医選定・入院先調整」と「③ 措置診察のための搬送・指定医の診察」を実証範囲として、保健所と医療機関との間で行われる調整部分にkintoneを導入し、保健所職員と医療機関のケースワーカーに実際にkintoneを操作していただきました。
得られた改善効果として、保健所と医療機関における措置診察及び措置入院の調整業務は、kintone上で複数の医療機関と同時に調整を行えるようにしたことで、従来の業務時間の90%を削減できることが確認できました。
また、kintone上で情報を一元管理することで、電話でのやりとりに比べ、同一の情報が連携されることから、情報の連携漏れがなくなるといった利用者視点での定性的な効果を確認できました。
■宮崎県デジタル推進課ご担当者様からのコメント
本事業は、宮崎県庁内の業務効率化だけではなく、県とやりとりする医療機関との迅速で正確な情報共有を実現し、要支援者への早急な対応、支援の質を向上させ、県民サービスの向上につながると考えています。
今回は措置入院に関わる業務を対象とした実証でしたが、機微な情報を外部と連携する必要のある業務での活用を見据え、実装に向けた検討を進めていきたいと考えています。
■今後について
NTTデータ九州では、自治体が抱える業務課題の解決に向けて、kintoneをはじめとする多様なICTツールを活用した業務アプリケーションの開発を通じて、DX推進を支援してまいります。
今後も、自治体の業務効率化やサービス向上に貢献できるよう、課題解決に向けたサポートをいたします。
本件に関するお問い合わせ先
公共システム事業部 公共ビジネス統括部 開発担当
吉開、大津
Mail : myzk_demoproject@hml.nttdata-kyushu.co.jp
TEL:092-475-5017
